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Vol.5 ホリー 心の暗闇に光を注いで、愛を育む

特集 フラワーエッセンスのふるさと・ウェールズを訪ねて その2

今回も引き続き、上野さんが生徒さんたちと訪れたウェールズの旅についてのリポートです。 バッチ博士にとって縁の深い場所を歩き、フラワーエッセンスの植物たちと出会って感じたことを、熱く語っていただきます。

ホリー 心の暗闇に光を注いで、愛を育む

 ホリー(西洋ヒイラギ)もウォールナット(ペルシャグルミ) も私たちを守ってくれるエッセンスです。
 クルミがその固い殻で仁(中身)を守るように、ウォールナットのフラワーエッセンスは私たちの精神や考え方(脳) を外側の影響から守ります。
 一方、ホリーの防衛力はウォールナットの防衛力とは、まったく違います。 ホリーは自分自身の内側から生じるネガティブなものに対して守ってくれるエッセンスです。

 それでは、トゲのある濃い緑のホリーの葉は、一体何から私たちを守ってくれているのでしょう。
 植物としてまず見てみると、面白いことに木の下のほうの葉ほど、トゲトゲ、ピカピカしていて、 上のほうに生える葉はトゲのないものが多くあることに気づかされます。動物たちに食べられぬよう、 またほかの植物にそのスペースを侵略されぬように、低いところにトゲつきの葉を茂らせて、城を守る“武装した番兵たち” のように、自分のテリトリーを安全に守っています。

 けれども、トゲが生えている理由がテリトリーを守ることだけではないことを、ウェールズの小川沿いを歩いているときに、 ホリーの木々から教えられました。
 そこで観察した木は、下のほうの葉でさえ丸くてツルツルしていたのです。 イギリスでフラワーエッセンスの先生をしているガイドの女性は、「光を十分に浴びていると、トゲのない葉が育つようだ…」 と話していました。
 トゲのあるホリーの葉を近くで見ると、 葉のふちにある1つ1つのトゲが互い違いの方向を向いていることがわかります。
これを見て連想するのは、車のバックミラーでした。運転する人が、自分の見たいものが映るように、 その角度を調整することと同じではないだろうかと…。

 そして実際、暗い森の中に育っているホリーの葉は、 薄暗いじめついた森の足元にピカピカと光を反射していることがハッキリと観察できます。
 ホリーのトゲは葉の表面にさまざまな角度を形づくって、梢の天蓋で光がさえぎられている大地の近くまで、 光を呼び込んでいました。

 バッチ博士が書き記したホリーのエッセンスを必要とする人々は、嫉妬やねたみ、 恨みや疑いといった思いにとらわれている状況にある人たちです。より厳密にバッチの使った英語を見ると、 このような思いによって attack (攻撃)されている人々のためのエッセンス、 苛立ちが別の形で表現されている心の状態のときにのむエッセンス、 と書かれています。
 「不幸である真の理由が何もないときにも、自分の中で、たいへん苦しんでいることがしばしばある」 (『The Twelve Healers & Other Remedies』より。翻訳書は『バッチ博士の遺産』バッチフラワー友の会刊)

 自分自身がホリーの状態のときを想像してみると、たしかにイライラから疑心暗鬼になっているときは、 自分の内面にある闇のような暗さを感じます。その場その場で単純に怒りや嫉妬を表現できないときほど、 感情が内側でドロドロ煮詰まってきやすく、闇の中でのたうつ目の見えぬ生物のように、 その感情はだれかに向かってとびかかってしまいそうな激しさをもつこともあります。
 そうして、この闇に自らもむしばまれるのです。内面を美しく映し出していた瞳はにごり、エネルギーフィールド (その人を包むオーラ)もネガティブな影響を受けます。自分の経験を通して、またはそういう状態の他者を通して、 このようなホリーのネガティブな状態を知っている方は多いことでしょう。

 このような状態を変化させるには、軽やかに浴びる光のシャワーでは不十分で、 闇の底まで光を降ろしてくるホリーのような性質が必要であることが理解できます。またこの植物がそうであるように、 心身両面において安心できる自分個人のスペースも大切です。

 ウェールズの旅のあと、個人的に訪れたブルターニュの内陸部に位置するブロセリアンドの森 (キリスト教以前に聖地として見なされ、太古から生き残っている森)にも、 一部ビーチとホリーが群生している場所がありました。
 ビーチはその美しい葉をきちんと水平に並べるように葉を茂らせていくことで、効率よく天からの光を受け止めていきますが、 その整然と生える葉によって梢の下を太陽の届かない、ほかの植物が育ちづらい薄暗い場所にしてしまいます。
 そのようなビーチの森に足を踏み込み、枯れ草でふかふかの大地の上を歩いたとき、 あちこちに育っているホリーの木が白い光を反射させ、その空間に光をもたらしていることに気づきました。8月のフランスは、 太陽光線がまぶしく照りつける時期なのに、そこでは、 ペールグリーンのやさしい光と空間を満たす白い光が混じり合う不思議な世界に変えられていました。

 真っ赤な実の美しいホリー(ヒイラギ)はクリスマス飾りによく使われますが、 暦と共に生きてきた私たち日本人にとってクリスマスの数日前である12月22日(21日のときもある)は、一年で最も闇 (夜) の長い冬至にあたり、このときに太陽の光が再誕することを願い、祝う習慣があります。冬至の日に、 お風呂に入れるユズは、 ホリーと同じ常緑樹に実ります。

 寒い冬でも葉を落とさないことから、常緑樹は永遠の若さを象徴しますが、ずっと若くあることは、死を否定するのではなく、 生と死のサイクル、光と闇のサイクルによって実現するものなのかもしれません。

 自分の心の暗闇のために、内側深くまで光を入れることになり、その光と闇の体験によって、自分自身や他者への、 深く愛に満ちた理解が私たちの中に育つのでしょう。ホリーのポジティヴなメッセージは愛と共感なのです。

2005.12.06

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