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Vol.9 ミムラス 恐れを超えて「真の自己」を生きる

 タイプレメディーとは、魂がこの世にやってきて親として選んだ両親のもとで、      自然にあらわれてくる性質――その人の魂の個性を表すレメディーと言えます。
 フラワーエッセンスを勉強し長く実践してきているYさんは、ずっと自分のタイプレメディーはアグリモニーだと漠然と思っていたのですが、 ある時、突然「ミムラスかもしれない……」と強く感じたそうです。

【Yさんの体験談】

 フラワーエッセンスを学んでいくにつれ、自分のタイプレメディーについて考えるようになりました。 ある部分はまちがいなくアグリモニーだけれど、どこかしっくりこない感覚があり、長年抱えてきている自分の中の恐れに気づいていたので、 ミムラスが心に浮かびました。
 アグリモニーの行動パターン(心の苦しみを抑えて、人前で明るく陽気に振る舞う)の奥に、言い争いやケンカが悲しく、 辛いという思いがあり、「そういう環境では生き延びることができない」という、深い恐れがあることに気づきました。
 幼いころ、両親はケンカが絶えず、父のどなり声がとても怖かったこと。「泣くな、黙れ」と怒られて閉じ込められた体験。赤ん坊のころ、 ひきつけを何度も起こしていたことも今あらためて考えると、おそらくそうした周りの環境に反応していたからなのだろうと思い至ります。
 そうして、生きていくことそのものに恐れをもってしまったのだろうと……。

 ある日、丹沢で、クリスタルのような澄んだ清流のそばに、ゆっくり腰を下ろして過ごすチャンスがありました。 ミムラスは清流のそばに咲く植物なのですが、自分がミムラスになったかのように、はじける水のしずくや水の音に包まれて、 しばし時を忘れて過ごしました。気づくと、身も心も至福感でいっぱいになっていました。そして、 心から自分の望む人生を生きたいという思いがわいてきたのです。
「生き延びなくては」という緊張と恐れのために、自分が本当の心を偽って生きてきてしまったこと、 そのために"自分らしく生きたい"という深い望みが隠されてしまっていたことに、はじめて気づきました。

【エッセンス・メッセージ】

 ミムラスは清らかな川のほとり、水の間近に咲く植物です。バッチ博士が生きていた時代とは環境も大きく変わってしまい、 今ではウェールズのアスク川沿いで、この植物を発見することは難しくなっていると現地の方から聞いていました。ですから、昨年の7月、 Yさんも参加したウェールズ・ツアーにおいて、二箇所でこの花を発見できたのは、幸運なことでした。
 特にブレコンビーコン国立公園内の滝をめぐるコースを歩いているときに発見した黄色いミムラスの花は、 渓流沿いにほかの植物たちと混ざり合って元気に咲いていて、みんなの心を朗らかにしてくれました。
 川のほとりというよりも、まさに水際に咲いていて、急な斜面は人が下りるには危険で、川の中に入っていかなければ、 その花のお顔がながめられないような近づきにくい場所に咲いていることがわかりました。

 ミムラスは"原因や理由がハッキリわかっている恐れ"の状態のときに使うフラワーエッセンスですが、 この花をタイプレメディーとしてもつYさんのお話には、バッチ博士が1932年に書いた小冊子『Free thyself (汝自身を解放せよ)』におさめられている内容がピッタリくるようです。
それは次のような文章ではじまります。

「あなたは恐れのある人ですか? 人々や環境に対して恐れがありますか? これは、懸命に人生に取り組みつつも恐れによって、 人生の喜びを奪われている人々のためのエッセンスです…(中略)」

 川は、夢解釈の中で、人生の流れを象徴するものと見なされています。その流れは大地の胎内から生まれ、はじめは細く弱い道程から、 さまざまな環境を通りすぎていくうちに、ほかの流れと合流したり、分かれたりしながら、大きな川になっていきます。
 激しい流れは人生の困難なときを象徴するかのごとく、岩にぶつかり、かき乱され、渦をまき、大地を削りとってゆきます。けれども、 最終的には必ず全ての流れは、やさしく深い海へと辿りつけるのです。

 常に根や茎、花までも川のしぶきによって洗われるミムラスにとって、その水が生命に不要なものであったなら、植物の進化の過程で、 水際から遠ざかっていくこともできるわけですから、ミムラスは水とともに生きることを自ら選んでいるといえます。
 実際、水の流れで折れてちぎれた茎も、流れの果てに辿り着いた新しい地に、細くやさしい根を張って育ちます。
 また、水に浮かぶ小さな種たちも、その中の一部は確かに激流を生き抜いて、遠い大地に新しい生命を目覚めさせます。

 生活の中での具体的な恐れの体験は、その恐れにどう対応するかを、私たちに訓練してくれるものでもあります。 恐れによって自滅してしまうのではなく、自分の置かれた環境の中で、 どのようにして現実的に生きがいを見いだせるかを深く教え込む体験となるのです。
「病気になって体が不自由になるのが怖い」「地震や天災のことを考えると不安になる」「夫の仕事が不安定で将来経済的に心配」などなど、 ミムラスのもつ恐れは、毎日の生活に根ざすもので、逃げることのできない類のものです。この世に生きるうえで、 ある程度のリスクはどんな人生にも必ずついてきます。

 Yさんにとっては、人間関係の不調和やイライラが何としても避けたいものだったのですが、 そのために自分の気持ちや体調を無視してまで周りをなごやかにしようと努めることで「真の自己を生きる」 という神聖な使命からそれてしまったのです。
 自分らしく生きるためには、自分の選んだ親や環境を受容しなくては始まりません。 自分を一時的に傷つけるかもしれない水の流れから顔をそむけるのではなく、ここが自分の居場所と腹を据えて運命を信じることで、 思いがけない新境地が開かれることもあるのです。

 前述したバッチ博士の文章は、次のような言葉で締めくくられています。
「ミムラスはあなたが自分の人生を愛せるように自由を与えてくれ、また他者に対して、 繊細なやさしい思いやりの心をもてるよう教えてくれるでしょう」

 ミムラスは恐れを追い払うエッセンスではなく、自分の使命を受容する勇気を喚起し、 かけがえのない自分だけの人生を愛するためのエッセンスです。

                  
2006.03.31

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